高齢者は要注意!今でも「結核」は怖い 病気?早期受診が治療のカギ

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高齢者は要注意!今でも「結核」は怖い 病気?早期受診が治療のカギ

 結核はかつて不治の病と恐れられていましたが、現在は薬を飲めば治るようになっています。結核なんて昔の病気では? と思われがちですが、世界保健機関(WHO)の分類によると、日本は結核の「中蔓延国」。2014年には2万人近くの人が新たに結核を発症し、他の先進国程度に罹患率などが改善するには、あと20年以上もかかると言われています。

 高齢者や、糖尿病などの病気で免疫力が落ちた人が発症しやすい結核について、あらためて考えてみましょう。

結核とはどんな病気?その歴史的な推移

 結核は結核菌の感染によって発病する感染症で、エジプトのミイラから典型的な結核の痕跡が見つかるなど、古くから存在していたことが知られています。日本では、明治以降の産業革命による人口集中に伴って国内でまん延。1950年頃まで日本人の死因として上位にあり続け、1930年代から戦後しばらくの間は死因の第1位でした。当時の患者数は年間60万人以上、死亡者数は年間10万人超、国民の2人に1人は結核感染しているという、まさに「国民病」であり、「亡国病」とも言われるほどの大きな脅威でした。やがて有効な治療薬が開発されてほとんどの場合で「薬で治る病気」になり、さらに栄養状態の改善や早期発見・隔離といった結核対策が効果を上げ、患者数は激減しました。

 1999年以降、新規に登録される結核患者数は少しずつ減っていますが、それでも2013年まで毎年2万人を超える人が新たに結核患者として登録されています。珍しい病気になりつつありますが、日本の人口当たりの患者数は「低蔓延国」といわれる他の先進諸国の4倍程度にもなり、WHOの分類で「中蔓延国」と位置づけられているのが現状です。

咳が2週間以上続いたら、医療機関へ

 結核菌は、人から人にうつります。咳やくしゃみをしたときに出る小さなしぶきの中に含まれていたり、室内の空気中に漂っていたりする結核菌を吸い込んで感染します。ただし感染と発病は別で、感染しても免疫力が高ければ、結核菌は死滅するか、体内で休眠状態となります。感染した人のうち、生涯で結核の発病に至るのは1~2割程度で、ほとんどの人は発病しません。しかし、高齢者や糖尿病などの病気で免疫力が落ちた人の場合、何十年も休眠状態にあった結核菌が増えて発病してしまう、ということがあります。2013年に発病した多くの人は70歳以上であり、結核患者の約半数は高齢者となっています。

 結核を発病すると、せきやたん、発熱といった、風邪によく似た症状が出ます。せきもそれほど激しいものではなく、大したことはない、そのうち治まるだろうと思いがちな程度です。普通の風邪なら1週間程度で症状が改善しますが、2週間たってもせきやたんが続く場合には、結核を疑って医療機関を受診すること推奨されています。発病しているかどうかは胸部エックス線検査や、たんを調べるといった検査で確認できます。

薬の服用で治療可能なので、早期治療が大切

 結核の治療は薬の服用が基本で、重症化していなければ、薬を3~4種類半年間服用することで治せます。しかし症状が進むと、体内で増えた結核菌が咳やたんとともに空気中に吐き出されるようになり、「排菌」する状態となります。こうなってしまうと周囲の人に感染が広がる恐れがあるため、入院治療が必要となります。適切な治療を受ければ、2週間から数ヶ月で退院できることが多いですが、排菌していなければ通院治療が可能なので、早めの対処が大切です。

 では私たち一人ひとりは、結核に対してどのように心がければよいのでしょうか?

 まずは、健康診断を定期的に受けることが大切です。特に大勢の人と接する機会が多い人は感染する可能性が高いので、マスクをつける、手洗いうがいをするなど、すぐできる対策をとることが大切です。また咳が2週間以上続くようであれば、すぐに内科を受診してみましょう。

参考

田城孝雄・北村聖『感染症と生体防御』放送大学教育振興会、2014年

国立感染症研究所「結核とは」

公益財団法人結核予防会結核研究所

厚生労働省 平成26年結核登録者情報調査年報集計結果(概況)

著者情報
阿井 あさ子
阿井 あさ子

健康管理士一般指導員

健康管理士一般指導員、食生活アドバイザー(2級)。研究領域は健康・幸福と 社会問題。30代半ばにして健康診断で軽肥満と高血圧を指摘され、「このままで は長生きしない」という医師の言葉に衝撃を受ける。以来、健康についての研究 と実践を重ね、免疫を上げる&下げない健康的で幸福な生活を実践中。

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