洗い過ぎはアトピーの引き金にも!自分の皮脂を大切に。

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洗い過ぎはアトピーの引き金にも!自分の皮脂を大切に。

 皆さんこんにちは。順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村です。

 桜の季節ももうすぐそこですが、まだまだ空気が乾燥しています。空気が乾燥すると、肌のかさかさが気になる方もいらっしゃるでしょう。

 このつらい乾燥肌。実は、石けんで洗うのをやめるだけで劇的に良くなることが多いんです。子どもに多いアトピー性皮膚炎も同じです。

 今回は、洗い過ぎがもたらす害についてお話ししましょう。

モンゴルにアトピーがないのははぜ?

 日本では、アトピー性皮膚炎の子どもが増え続け、社会問題となっています。日本人の皮膚は薄く、アトピー性皮膚炎を起こす細菌やほこりなどの抗原が、皮膚を通して体内に入りやすいのです。

 しかし、日本人とよく似た人種のモンゴル人には、アトピーの子どもはいません。

 この理由を調べると、意外なことが分かりました。

 答えは、お風呂です。モンゴル人はテントで移動する生活を送るので、滅多にお風呂に入りません。対して私たち日本人は、毎日お風呂に入り、石けんとタオルでゴシゴシ体を洗います。

 私たちの皮膚の表面には、脂があります。“皮脂”というと、化粧品会社の広告などでは悪者のように扱われますが、皮膚に異物が入るのを防ぐ、バリア機能を果たしています。

 石けんで洗うと、この皮脂がとれてしまいます。その上にタオルでゴシゴシ洗ってしまうものですから、皮膚に小さな傷ができ、そこから抗原が入りやすくなってしまうのです。

 皮肉にも、赤ちゃんの頃から毎日石けんでゴシゴシ洗う習慣が定着したことで、アトピーの子どもが増えてしまったのです。

 赤ちゃんのお風呂は、熱すぎないお湯で汚れを洗い流すだけで十分です。

モンゴルにアトピーがないのははぜ?

カラスの行水でも大丈夫です

 洗い過ぎが害となるのは、もちろん赤ちゃんだけでなく、大人も同じです。

 特にご高齢の方は、皮膚の水分量と皮脂の量が減り、肌が乾燥しやすくなっています。老人性乾皮(かんぴ)症と呼ばれる症状を起こすことも多いので、より注意が必要です。

 お風呂で温まること自体は、免疫を上げ、健康に良いことです。ただ、石けんでゴシゴシ洗いはすぐにやめましょう。

 そもそも、私たちの生活では、石けんでゴシゴシする必要があるほど汚れることもそうないでしょう。どうしても気になるのなら、限られた部位にのみ使ってください。

 皮膚のためには、カラスの行水でも良いと私は思っています。

著者情報
奥村 康(おくむら こう)先生
奥村 康(おくむら こう)先生

順天堂大学医学部特任教授

1942年生まれ。千葉大学医学部卒、同大学院医学研究科修了。スタンフォード大学医学部留学、東京大学医学部講師、順天堂大学医学部免疫講座教授、順天堂大学医学部長を経て、現在は同大学医学部特任教授(免疫学講座)・アトピー疾患研究センター長。ベルツ賞、高松宮賞、日本医師会医学賞などを受賞。サプレッサーT細胞の発見者。臓器移植後の拒絶反応を抑える新手法を開発するなど、免疫学の国際的権威。

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