あなたのお酒ライフは大丈夫?年齢も考慮したい、「お酒」との上手な付き合い方

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あなたのお酒ライフは大丈夫?年齢も考慮したい、「お酒」との上手な付き合い方

 日本における飲酒量は、第二次世界大戦後からごく最近まで増え続けています。それに伴い、飲酒にまつわるさまざまな問題が生じてきました。特に近年は、女性や高齢者の飲酒習慣に伴う問題が増加する傾向にあるため社会的に懸念されています。今回は、一人ひとりに合うお酒との付き合い方や、適切な飲酒量について考えます。

高齢者と女性の間で深刻なアルコール依存症患者 の増加

 日本は世界の中でも稀なほど、飲酒に対して非常に寛容であるとされています。世界の飲酒文化は多様で、たとえばイスラム社会に代表される「禁酒的文化」では、アルコールの摂取が否定または禁止されています。反対にフランスやスペインなどは「許容的文化」で、飲酒自体には肯定的でも、酔っ払ったり病的な飲酒のし方には否定的という社会もあります。日本の飲酒文化は「超許容的」に分類され、飲酒で酔っ払った上での行為や病的な飲酒までもが部分的に認められるという、飲酒に対して非常に寛容な文化が醸成されてきました(出典:清水新二『酒飲みの社会学——アルコール・ハラスメントを生む構造』)。

 世界保健機関(World Health Organization:WHO)のアルコール依存症の診断基準を過去に一度でも満たしたことがある「アルコール依存症経験者」は、全国で109万人と推計されています。調査開始から初めて100万人を超えたこと、女性の患者数が10年前の2倍近くにまで増えたこと、また、高齢の患者数が29万人と推計され全体の3割近くを占めるに至ったことなどで注目を集めました(樋口進他「WHO世界戦略を踏まえたアルコールの有害使用対策に関する総合的研究」)。日本では、問題のある飲酒をしていても発見や介入が遅れ、結果的にアルコール依存症がかなり進んでしまうまで放置されがちです。これは飲酒に対する寛容さが災いしていると考えられます。

適切な飲酒量とはどれくらい?

 では、問題のある飲酒とはどのようなものでしょうか。お酒は嗜好品だし、「適切な量」も「問題のある飲酒」も人それぞれじゃないの?と考える方が多いかもしれません。ですが、厚生労働省は国民健康づくり対策として施策した「健康日本21」の中で、「節度ある適度な飲酒」を「1日平均20g程度の飲酒」と定義しています。

 20gというのは純アルコール量を指しているので、ビールではおよそ中ビン1本、日本酒では1合弱程度に相当します。「多量飲酒」についても定義があり、「1日平均60gを超える飲酒」とされています。純アルコール60gとは、ビール中ビン3本、日本酒3合弱、25度焼酎300mlに相当する量です。アルコール関連問題の多くは、この多量飲酒者が引き起こしていると考えられています。

アルコールと関わる健康問題や社会問題

 アルコールに関係した問題は全て「アルコール関連問題」と呼ばれ、これには様々な健康問題や社会問題が含まれます。WHOは飲酒がもたらす健康問題について、60以上もの病気や外傷がアルコールによって引き起こされていると報告しています。消化や代謝に関わる胃や肝臓に障害が出るだけでなく、悪性新生物、睡眠障害、脳の萎縮、認知症、うつ病、自殺といった多くの健康問題が、不適切な飲酒により生じることが明らかになっています。

 特に最近は、アルコールと脳の萎縮や認知症との関連の研究が進んでいます。この研究から、認知症患者の増加や高齢者虐待といった社会問題の背景として、長年にわたる多量飲酒やアルコール依存症が指摘されるようになってきました。

高齢者はより少ない量が理想。細く長い楽しい付 き合いを

 先に述べたように、「健康日本21」では「節度ある適度な飲酒」を「1日平均20g程度の飲酒」と定義していますが、高齢の人にはこれよりさらに少ない量が推奨されています。加齢とともに胃が老化して酔いやすくなる上に、60代以降には肝臓の老化や筋肉減少も加わって、少しのお酒でも酔いやすくなっていきます。そのため、高齢者には少ない飲酒量が推奨されているのです。また、女性の場合は小柄で肝臓も小さいことが多く、男性より少ない量で酔いやすいことにも注意が必要です。

 お正月や年度末など、年が変わってすぐはお酒を飲む機会が増えてきます。ぜひ飲酒量には注意して、お酒と楽しく付き合っていきたいものですね。

参考

Global Information System on Alcohol and Health (GISAH)

内閣府 アルコール健康障害対策

里浜医療センター 情報ボックス アルコール

著者情報
阿井 あさ子
阿井 あさ子

健康管理士一般指導員

健康管理士一般指導員、食生活アドバイザー(2級)。研究領域は健康・幸福と 社会問題。30代半ばにして健康診断で軽肥満と高血圧を指摘され、「このままで は長生きしない」という医師の言葉に衝撃を受ける。以来、健康についての研究 と実践を重ね、免疫を上げる&下げない健康的で幸福な生活を実践中。

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